いつまでたっても、すっきりしないぼくの部屋を片付けるべく、ついにチェストを作ることにしました。以前作った、既成の棚に取り付く小さな引き出しの経験を生かして、さくっと作りたいと思います。
その時の経験から得た、いちばん重要なことは、
溶接はできる限り避ける
です。少なくとも突き合わせ溶接は絶対に無しです。どうしたら溶接を少なくできるかを考え、製作の計画を立てていきました。
基本的にはネジで接続します。このネジの頭がどうしても引き出しのレール部分に当たるので、皿ビスを使い、頭を埋め込むようにしました。この加工はボール盤を使い、作業効率を高めたにもかかわらず、かなりの時間を必要としましたが、その後の組み立てはスムーズに進みました。なんといってもつないだ部材の直角出しが、溶接と比べて劇的に簡単でした。
2本の角パイプに、Lアングルを梯子状に並べてビスを打っていきます。この作業を仮に溶接で行うと位置決めや直角出しで相当苦労するのですが、今回は楽ちんでした。ビスでつないだあとに直角を確認し、ゆがまないように要所要所を重ね合わせの部分のみ溶接しました。
構造を説明します。まずチェストの側面は、前後の角パイプを引き出しを受けるLアングルではしごのように結びます。これは前述の通りビス止めで、ところどころ溶接で補強します。この溶接によって、側面の前後方向の剛性が確保されます。これはJWCADで書いた、チェストの図面です。
ちなみにこのLアングルのはしごの桁の間に引き出しが入るのですが、引き出しの高さは、2×4材のサイズのラインナップから選んでおけば、引き出しを作るときの加工が少なくて済みます。今回は1×4が2段、1×6が3段の5段としました。
この側面を向かい合わせ、Lアングルの下端に角パイプをネジ止めします。これを棚口と呼ぶそうです。ここもところどころ溶接して、前面の剛性を確保します。後ろ面は上下2本だけ角パイプをつなぎ、剛性は、フラットバーの筋交いを入れることによって確保します。
塗装は定番となっているつや消しの黒です。
チェスト本体が完成しました。材料の切り出しから、かかった時間はおおむね6時間ほどでした。日曜日に会社でこっそり、1日でできたってところです。